国際社会科学評議会の国際会議「変化する自然環境―変化する科学:社会科学・人文科学への地球的環境変化という課題」に参加するため名古屋に来ました。
私個人の研究関心からすれば、門外漢としてこの会議に出席していることになりますが、旧知の三重大学の児玉先生が「日本の社会科学・人文科学研究者はもっと積極的に国際コミュニティに出るべきだ!」と大変な苦心をされてこの会議を招致、組織されていることを知り、義によって駆けつけた、というところです。
生物多様性会議を開催した名古屋は今回の会議テーマにマッチしたロケーションであると思います。(愛知県副知事も歓迎挨拶に来られていました)
環境の問題は今日の平和学にとっても重要な課題であることは言うまでもありません。今会議では、自然科学、社会・人文科学、いずれの立場からも、持続可能性確保のための対策実行の逼迫性が指摘されていました。そして、私は、対策のプランはすでに提示されているが、これを実践するグローバルな意思の一致を欠いているということが今日的課題なのである、と理解しました。核廃絶プロセスがなかなか進まない事情が想起されます。
かつて、新・冷戦と言われる状況下でガルトゥングをはじめヨーロッパの平和研究者は「解決策はある!」(“There are alternatives!”)と平和政策と核戦争回避への希望を提示し、冷戦終結の先駆けとなったように、問題解決への希望を創造する平和学の学徒たらんとの思いを新たにしました。