韓国・済州大学法政学部の康根亨教授をお招きして、「李明博政権の北朝鮮政策と韓半島の
平和」とのテーマで、第52回平和講座を開催しました。
康教授は、李政権の対北政策が形成される過程について、朝鮮戦争以降の韓国の発展と国際
社会における地位の向上という背景を詳説しながら解説され、盧泰愚政権、金大中政権時代の
対北政策の特徴と評価を述べられました。
李政権の打ち出した「非核・開放・3000」構想(北朝鮮が核を完全に廃棄して開放すれば、
10年以内に国民所得3000ドルを達成できるよう支援するという構想)は、北朝鮮からは
「反統一・対決政策」として反発を受けており、さらに対北朝鮮で韓米関係が深まるなど、
北朝鮮はこれを脅威が高まっていると認識し、より態度を硬化させているのが現況であると
指摘。
延坪島への砲撃など北朝鮮の一連の行動の背景にはこうした北朝鮮の情勢認識と体制変化
(政権の後継)という事情があることを説明されました。
康教授は、韓半島の平和にとって厳しい状況もあるものの、北の変化を誘引するように、
韓国のみならず、日本、米国など関係諸国が少しずつ態度変化(進化)をする
「共・進化戦略」を提唱。
この戦略をすすめるためにも北の挑発的行動の自制が求められると述べられました。